2011年05月11日

ISU 1672 の概観・他

ISU は先週、5月5日付の コミュニケーション 1672 として 昨年の コミュニケ1611 の改定を発表し、この中で
   T) Scale of Value (SOV、各演技エレメントの価値尺度表)、
   U) Grade of Execution (GOE)の加点ガイドライン、
   V) 同 GOE 減点表、
   W) レベル獲得条件表、
それぞれにつき
いくつかの項目を修正・加筆しています。
 
これらは ISUルールの変更ではなく、同ルール353に謳う「運用」として、総会採決を経ずに ISU が直接発行するもので、次の 2011-12 シーズンからの適用になります。

なお、今シーズン(6月末まで)適用のコミュニケ 1611 についてはこちらのエントリーをご覧ください。
 


 
以下、女子シングルに限って見てみます。


[ジャンプ]
 
A)
ダブルトーループとダブルサルコウの基礎点が、回り切った場合・回転不足 ともに 0.1 下げられ、それぞれ 1.3 、 0.9 となりました。
 
B)
ショートプログラムでの要請である、単独トリプルジャンプへとつながる ステップないし代替要素につき、ジャンプへと直ちにつながらない場合には GOE のマイナス要素とするべきことが特記されました。
GOE の減点表でも、
ステップまたは代替要素が無い場合は −3 でかつ最終 GOE もマイナス、
ジャンプとのあいだに間が空いたり、ステップや代替要素が単一のものだったりした場合は −1 〜 −2、
となっています。
また、この導入要素としてステップを採用する場合は、ジャンプのテイクオフがステップのリズムと一致していなければならない、とも特記されています。

 
[スピン]
 
C)
レベル要件の選択肢にて、「明確なエッジ替え」 が適用されるスピンの種類に、(シット(ただしBIからFOのみ) と キャメルの他に) レイバックとビールマンが加わりました。
 
D)
レベル要件の選択肢である同一姿勢(脚替え・エッジ替えなし)での 8回点以上 の対象が 「キャメル、難しいシット、レイバック、あるいは難しいアップライト」 となり、シットについて厳しくなりました。
また、一つのスピンの中では この要件は (脚替えの前と後で各8回以上回ったとしても) 1回しかカウントされない点が明記されました。
 
E)
レイバックスピンの姿勢替えがレベル獲得条件となるのは それが明確なものの場合のみ、となりました。
 
F)
プログラム中、最初の1回に限ってレベル獲得条件にカウントされる付加要素に、(バックエントリー・エッジ替え・難しいバリエーションの他に) フライングエントリーが加わりました。
ただし、普通のフライングキャメルエントリーはこの条件に該当しないこと、しかし「最初の1回」の判断対象にはなることが特記されています。
 
G)
SPでの 最終GOEマイナス項目であった、要求姿勢数に満たない場合の GOE −2〜−3、というのが無くなり、代わりにSOVでレベル0 という扱いになりました。

 
[ステップシークエンス]
 
H)
レベル2 を獲得した場合の基礎点が 2.3 から 2.6 に引き上げられました。
また、レベル4 につき、GOE+1、+2、+3、それぞれの換算が +0.7、+1.4、+2.1 へと3割減になりました。
 
I)
音楽との連動性が無い場合、その分の GOE を −1 〜 −2 とすることになりました。
 
J)
レベル要件の選択肢のうち、重心の変動のある上体の活用については、その必要軌跡が 2/3以上 から 1/2以上 に緩和されました。
 
K)
レベル要件の選択肢のうち、「難しいターン(ロッカー、カウンター、ブラケットまたはツイズル)の組み合わせを、すばやく、そして両回転方向に、シークエンスの中で少なくとも各回転方向につき2回実施」 となっていたのは、「シークエンスの中で、難しいターン(ロッカー、カウンター、ブラケット、ツイズルまたはループ)のうち3つを素早く組み合わせることを2回、異なった組み合わせで実施」 と変更になりました。
同じ順番・同じエッジでの組み合わせはこれに該当しないという念押しも書いてあります。

L)
ジャンプを半回転を超えてステップシークエンスに加えると GOEが1段階の減となる点について、これは SOV表にあるジャンプに限定されました。


[コレオスパイラル]
 
M)
GOE+1、+2、+3、それぞれの換算が +0.7、+1.4、+2.1 へと3割減になりました。
 
N)
GOE加算要素として、「プログラムのコンセプト・性格を反映している」 というのが加わりました。
 
 

 
なお、このコミュニケに先立つ ISU 1671 において、
新シーズンの ISUグランプリシリーズから、世界選手権6位以内の 「シード」選手の出場できる GP の数を、一定条件のもとで、 3 に増やせるように計らうこと、 その詳細は別途のコミュニケで発表すること、 が記されました。
 
その他にも、新しいシーズンに向けて、いくつかの改変があるかもしれません。
 
そのつど、当サイトでも 出来るかぎりの追跡をしたいと考えています。
 
 
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