この Love on Ice、Disson側が「シーズンの集大成」と言うだけあって 製作にも気合が入っているのが伝わり、公演後の評価をあちこちで見ると、そのどれもが大きな満足と賞賛に染まっています。
当サイトの「スケジュール」ページでもご紹介した、Kurt Files に 当日の演目が載っていますが、
http://www.kurtfiles.com/pics/event.php?id=2012%2FPandora+Unforgettable+Moments+of+Love+on+Ice+Dress+Rehearsal
実際にはこの他に オープニングアクトがありましたから、安藤選手の出番は5回、いずれも安藤選手にとって初演、5種類の衣装、3種類のヘアメイク になります。
◆
宮本賢二氏の振付による2つのソロ、そして デュエットやグループナンバー、どの出番も安藤選手が楽曲に乗り切って演じていて、いずれ劣らず 思わず見惚れるものです。
が、その中でも新鮮な驚きをもって現地ファンに強烈な印象を残したのは 第1部のソロ、「You Must Love Me」 だったようです。
「思わず涙が出た」 「安藤選手にここまでの演技が出来るなんて知らなかった」 「いつの間にこんなに成長したんだろう」・・・そういう声を引き出した この You Must Love Me は、映画版「エヴィータ(Evita、'96年、原作のミュージカルは'78年)」の、主演マドンナの歌う、アカデミー歌曲賞に輝いたラスト・テーマ曲。
アルゼンチンの元ファースト・レディ、Eva Peron が自らの一生を振り返る形の歌詞には、しかし、時空を越えた普遍的なメッセージがあり、そして、こんな一節もあります。
Deep in my heart I'm concealing
Things that I'm longing to say
言おうとする心を、言葉でなくスケートに託して溢れさせる、そんな安藤選手の想い。
・・・
彼女のインタビューの中に、
「色んな意味の Love がありますが、それを表現するということ自体が初挑戦だったので、そういうところに大変さを感じました。 しかし、自分なりに歌詞の意味や作者の意図を考えながら、表現していこうと思っています。」
というものがありますが、
この You Must Love Me の歌詞の全編を聴き、また詩として読むと、安藤選手がそう語ることの本当の重さ・真剣さ、ひたむきな姿が、ひしひしと伝わって来るように思われます。
◆
安藤選手のこの言葉が載っているのは、別エントリーにも追記にて ご紹介した 北米報知(The North American Post)の、佐藤睦子レポーターによるインタビュー記事。
http://napost.com/index137.htm
その佐藤さんから、次のように メッセージを寄せて頂いています。
「先のアイスショーはTV放送用に行われたもので、失敗などするとショーの最後にもう一度選手が失敗した部分をやって撮り直します。 他の選手がやり直しをしている中、安藤選手はやり直しをせず、完璧な演技を披露して下さいました。 ・・また、最近「グローバルな人材」という表現がよく使われていますが、それは安藤選手のことだと思います。 「フィギュアでの日本人の不利/有利な点は?」という私の質問に対しても、「基本的に人間なので どの国の人だからこれが不利というものは無いと思います」と返答頂きました。 世界を知ってるからこそ「本質は変わらない」というお考えなのではと思います。」
◆
さて そのTV放送、現地アメリカでは、2時間枠で NBC、そして Ovation のネットワークで全編が放映されました。 残念ながら、輸出版は1時間枠のようで、日本で来たる3月11日に CS チャンネルで放送されるのはこちらのほうです。
しかし ぜひ、その1時間枠に、安藤選手の2つのソロが含まれていることを、期待したいものですね。
引き続き Art on Ice のシリーズでも 好演を続けている安藤選手。
そして11日は この Love on Ice の放送、Reborn Garden の公演、ソロモン流・・。
ファンにとっても充実の季節が続きます。
読者の皆様からのコラムやレポートで長文の場合などは、メールで投稿いただければ、順次、掲載してまいります。
匿名、イニシャル、HNなど、いずれでもけっこうです。
また、多少編集させて頂く場合があることを予め お許し願います。
投稿はこちらまで。